Googleの突然の発表、あなたのサイトは大丈夫?
2025年6月、Googleは「URL構造のベストプラクティス」に関するヘルプドキュメントを大幅に更新しました。このニュースを見て、「うちのサイトのURL、急いで直さないとまずい?」「SEOの順位に影響は?」と不安に感じた方も多いのではないでしょうか?
結論から申し上げます。
ほとんどの既存サイトでは、慌ててURLを全面変更する必要はありません。
しかし、この更新にはGoogleからの重要なメッセージが込められており、正しく理解しておくことは今後のサイト運営において非常に重要です。
この記事では、今回の更新で「何が変わったのか」を正確に解説し、「URL変更の必要性」を判断するための基準、そしてサイト運営者が今とるべき「現実的なアクションプラン」まで、網羅的にご紹介します。
GoogleのURLドキュメント更新、何が変わったのか?
X(旧Twitter)での速報まとめ
今回のニュースの要点を、まずXに投稿した内容でご確認ください。
【初心者向け】5つの重要ポイントを分かりやすく解説
Xでの投稿内容を、もう少しわかりやすく解説します。
1. ハイフン vs アンダースコア:「単語の区切り方」の話
URLでは、単語と単語の間は、アンダースコア( _ )ではなくハイフン( – )で区切りましょう。
ハイフンが「半角スペース」、アンダースコアが「接着剤」のようなものです。
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2. ファセットナビゲーション:「絞り込み検索」の話
ECサイトなどにある「絞り込み検索」機能で、URLが無限に作られてしまわないように、ちゃんと管理しましょう。
洋服を「色:赤」「サイズ:M」と絞り込むたびにURLが自動生成されると、Googleのロボットが中身のそっくりなページを何万も見回って疲れてしまいます。その結果、大事なページを見てもらえなくなるのを防ぎましょう、という注意喚起です。
3. パラメータ:「URLの末尾につくオマケ情報」の話
訪問者一人ひとりを区別するような一時的な情報は、URLの末尾(?
以降)に入れないようにしましょう。
?id=123のような訪問者ごとの整理券番号をURLに入れると、同じページなのに無数のURLができてしまいます。一時的な情報はURLに含めず、「Cookie」という別の仕組みを使いましょう、という方針です。
4. 相対リンク:「サイト内の道案内」の話
サイト内のページ同士をリンクで繋ぐときは、迷子が出ないように「入口からの道順」で案内しましょう。
良くない案内
「この部屋を出て、隣へ」。これでは別の階の人は迷います。
良い案内
「1階の正面玄関から入り、3階のA室へ」。これなら誰でも迷いません。
サイト内リンクも後者のように、常にトップページからの道順で示しましょう。
5. 大文字/小文字:「アルファベットの見た目」の話
URLのアルファベットは、「大文字」と「小文字」を区別して、どちらか(通常は小文字)に統一しましょう。
人間には PageA と pageA は同じに見えますが、Googleのロボットには「全くの別物」に見えています。ページの評価が分散しないよう、必ず「すべて小文字」に統一するのが安全です。
【最重要】既存サイトのURLは今すぐ変更すべきか?
結論:ほとんどのサイトで「今すぐの修正は不要」
繰り返しになりますが、ほとんどのケースにおいて、今回の更新を理由に既存サイトのURLを全面的に変更する必要性は低いです。URL変更に伴う設定ミスのリスクの方が、軽微な問題を放置するデメリットよりもはるかに大きいからです。
例外:URL変更を積極的に検討すべきケース
ただし、以下のような状況では、URL構造の変更を検討する価値があります。
- これから立ち上げる新規サイト
- サイトの大規模リニューアルを予定している場合
- 明らかなクロール上の問題を抱えている場合(Search Consoleで実害が出ているなど)
それでもURLを変更する場合の正しい手順と注意点
もしURLの変更に踏み切る場合、必ず以下の手順を守ってください。
- URLの変更(パーマリンクの変更)
WordPressの投稿編集画面で「パーマリンク」のスラッグを変更します。
- 301リダイレクトの設定【必須】
古いURLから新しいURLへ、「恒久的な移転」を意味する301リダイレクトを設定します。これは、ユーザーを404エラーから守り、ページのSEO評価を正しく引き継がせるために絶対に必要です。
では今何をすべきか?現実的なアクションプラン
1. 新規作成するページから「新基準」を適用する
最も安全で効果的な第一歩です。これから投稿する新しい記事やページのURLは、必ずGoogleの新しいガイドラインに沿って設定しましょう。
2. 既存ページの対応は「機会を待つ」
既存のURLは、原則としてそのままにします。ただし、記事の内容を大幅にリライトしたり、リニューアルの対象になったりした「ついで」の機会があれば、そのタイミングで修正を検討しましょう。
3. 「監査」はするが「実行」は慎重に
自サイトが新基準と照らしてどこに「最適でない部分」があるかを把握しておくことは有益です。しかし、その把握が即座の「修正実行」を意味するわけではない、という冷静な判断が重要です。
まとめ:慌てず、騒がず、しかし無関心ではいけない
今回のGoogleの動きは、例えるなら「最新の建築基準」が発表されたようなものです。

すでに建っていて快適に住めている家(既存サイト)を、基準が変わったからといって慌てて建て直す必要はありません。しかし、これから家を建てる人(新規サイト)やリフォームする人(リニューアル)は、必ずこの新基準に従うべきです
今回のニュースに過剰に反応してリスクのある変更に走るのではなく、内容を正しく理解し、自サイトの未来のために着実で戦略的な一歩を踏み出しましょう。